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日本の投資家へ-シリコンバレーのVCファイナンスについて知っておくべきこと

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こんにちは。ジョン佐々木です。

再びイチゴの写真です。彼女のハロウィンコスチュームです。何の仮装かお分かりですか?答えは後ほど。

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前回、シリコンバレーのVCファイナンスの条件について記事を書きました。

シリコンバレーのVCファイナンスの概要

今回は、日本の投資家の関心事となる、特定の事項にフォーカスします。私はシリコンバレーのVCファイナンスで、リード投資家の側、少数投資家の側を含めて、非常に多くの日本の投資家をサポートし、代理してきました。そこで、シリコンバレーのVCファイナンスに参加する際に日本の投資家が検討すべき5つのポイントに、リード投資家と少数投資家の視点の違いも踏まえつつ、焦点を当てていきたいと思います。

| 1. 定款 vs. 契約

前回の記事で述べたように、VCファイナンスの条件は大きく2つのカテゴリーに分類されます。すなわち、(1)定款の条項:配当及び清算の優先、自動転換条項、希薄化防止、拒否権の条項など、及び(2)契約の条項:情報請求権、新株引受権、先買権、共同売却件及び強制売却権など、になります。

大部分、定款の条項は特定のクラス又はシリーズの全株式に対して共通に適用されます。これに対して契約の条項はよりフレキシブルで、より容易に投資家を異なる形で扱うことができます。

したがって、定款の条項ではリード投資家を他の投資家と異なる形で扱いにくくなります。これは何を意味するでしょう? あなたが少数投資家なら、契約条項にエネルギーを集中させましょう。

| 2. ラウンド及び賛成(決議)要件

日本では、発行会社が各投資家と個別の投資契約を交渉するのが一般的な実務です。対照的に、米国のベンチャー企業は「ラウンド」でファイナンスを行います。あるファイナンスの「ラウンド」で、発行会社はリード投資家とファイナンス条件を交渉し、他の投資家は同じ条件の適用を受けます。

なぜ米国のベンチャー企業はラウンドでファイナンスをするのでしょうか。その理由のひとつは、そうすることで投資契約の変更や権利放棄が過半数の賛成(又はその他の賛成要件)によって行える点にあります。この点日本と比較してみてください。日本ではあらゆる投資契約の変更には、それぞれの投資家の同意が必要とされます。

したがって、シリコンバレーのVCファイナンスにおける、このような意味の賛成要件を理解することは非常に重要です。おそらく過半数が最も一般的な要件ですが、3分の2やそれ以上も可能です。リード投資家は、単独で変更や権利放棄を行えるような要件を設定したがるかも知れません。他の投資家はそうならないことを望むでしょう。交渉力のある少数投資家は、提案された変更又は権利放棄を単独で拒否できるような要件の設定を望むかも知れません。そしてあなたは、要件が充足された場合には、あなたの同意を一切必要とせず、変更や権利放棄に従わなければならなくなる可能性があります。

これは、少数投資家が定款に関してチェックすべきポイントのひとつでもあります。定款には、定款自体の変更、他の拒否権の対象となる事項などについて、多数の決議要件が規定されています。「みなし清算」の定義や、希薄化防止条項においても、他の決議要件が規定される場合があります。決議要件がクラス又はシリーズのいずれに関するものかを把握することも必要です。

| 3. 主要投資家

情報請求権や新株引受権のようないくつかの契約上の権利は、一定数又は一定比率の株式を保有する株主のみに適用されます。こうした株主はよく「主要投資家」と言われます。

この点について投資家の視点では、2段階の確認プロセスになります。第1に、主要投資家にのみ付与される権利を確認し、次に自分が主要投資家の定義に当てはまるかを確認する必要があります。

上記のとおり、主要投資家の基本的な定義の仕方は2通りあります。ひとつは株式数基準、他方は持株比率基準です。持株比率はあなたの関与なく変わり得るため、可能なら、株式数基準とするよう交渉すべきです。

例として、情報請求権が主要投資家にのみ与えられていて、主要投資家の定義が持株比率基準、例えば10%で定まっているとしましょう。あなたは主要投資家ですが、優先株の過半数を持っていません。更に、上記で説明した賛成要件が優先株の過半数であるとします。いま発行会社が新規ファイナンスを実施しようしていますが、既存投資家に新株引受権を行使させたくありません。もし優先株の過半数を保有する投資家が新株引受権の放棄に同意した場合、あなたは新株引受権を行使できません。そしてそのファイナンスの結果としてあなたの保有比率が10%を下回った場合、あなたは情報請求権を失うことになります。

| 4. 株式譲渡の制限

シリコンバレーのVCファイナンスにおいては、主に2つの株式譲渡の制限があります。(i)先買権と(ii)共同売却権です。一般に、これらの制限は創業者に適用され、投資家の利益のためのものとなります。ですが、全株主に適用される場合もあり、言い換えるとこの場合、あなたが行おうとする株式の譲渡は、他の投資家(ときとして創業者も)の先買権及び共同売却権に服することになります。この場合、あなたの株式の譲渡の可能性が大きく制限されることになり、一般的なものではありません。

ですので、このポイントを必ずチェックしましょう。

他に株式に対する制限として、強制売却権があります。契約に強制売却権が規定されているか否か必ず確認しましょう。規定されていれば、あなたが望んでいなくても株式の譲渡が強制される可能性があります。また、強制売却権が発行会社の売却のみに適用されるものかどうかも、必ず確認しましょう。ときどき、この条項はファイナンスなどの他の取引に賛成投票することを、株主に義務づけるためにも利用されます。レアケースですが、この点もチェックしてください。

| 4. 登録請求権

登録請求権についてはどうでしょう。覚えているかもしれませんが、この権利は投資家が公開市場で株式を売却できるよう、株式の登録を発行会社に要求できる権利です。

実際のところ、発行会社における持株比率が10%未満であり、取締役又はOfficerを指名する権利を有していなければ、登録請求権は必要ではありません。殆どの日本の投資家はこれに該当します。そうであれば、現実には、登録請求権について心配はいりません。

登録請求権がなくても公開市場で株式を売却できることは知っていましたか? 登録の例外要件のひとつに、ルール144というものがあります。聞いたことがあるかも知れません。この例外要件は、一定期間(一般的には6ヶ月間)株式を保有していた場合、登録しなくても公開市場で株式を売却できるというものです。なぜか?それは今後の記事で。

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勿論、以上はシリコンバレーのVCファイナンスにおいて検討すべき事項の全てではありません。しかしおそらく、あなたが少数投資家であれば特に、最も重要な事項です。

最後に、イチゴの写真の答えは、ホットドッグです!マスタードとレリッシュを付けて。

ご質問があれば、jsasaki@jsvlaw.comまでお気軽にご連絡下さい。

皆さんよいお年を!

【参考和文作成:弁護士 林 賢治】

原本の記事(英語)(除):JSV外国法事務弁護士事務所
和文の記事:AZX法律事務所 AZXのブログの記事: http://www.azx.co.jp/blog/?p=1327